私的な宅建過去問解説
平成18年9月19日 UP
対抗要件・当事者複数の契約の解除
今回は平成17年宅建試験問7の解説のみで。
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平成17年 宅建試験 【問8】
Aは、自己所有の甲地をBに売却し、代金を受領して
引渡しを終えたが、AからBに対する所有権移転登記は
まだ行われていない。この場合に関する次の記述のうち、
民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.Aの死亡によりCが単独相続し、甲地について相続
を原因とするAからCへの所有権移転登記がなされ
た場合、Bは、自らへの登記をしていないので、甲
地の所有権をCに対抗できない。
2.Aの死亡によりCが単独相続し、甲地について相続
を原因とするAからCへのの所有権移転登記がなさ
れた後、CがDに対して甲地を売却しその旨の所有
権登記がなされた場合、Bは、自らへの登記をして
いないので、甲地の所有権をDに対抗できない。
3.AB間の売買契約をBから解除できる事由があると
きで、Bが死亡し、EとFが1/2ずつ共同相続し
た場合、E単独ではこの契約を解除することはでき
ず、Fと共同で行わなければならない。
4.AB間の売買契約をAから解除できる事由があると
きで、Bが死亡し、EとFが1/2ずつ共同相続し
た場合、Aがこの契約を解除するには、EとFの全
員に対して行わなければならない。
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【解答・解説】
肢1.被相続人Aと相続人Cとはその地位は同一人と考え
てよい。だとすればCとBの関係は売主と買主との
関係と同じである。売買の当事者間では対抗関係と
ならない。登記なくしてBはCに対し所有権を主張
できる。
肢2.肢1と同様に考える。ただ本肢ではCが第三者Dへ
売却している。この場合、二重譲渡となる。つまり
CからB、CからDへの二重譲渡と同視できる。二
重譲渡の場合は先に対抗要件を備えた者勝ちとなる。
本肢ではDが所有権移転登記をしているのだから、
BはもはやDに所有権を対抗することはできない。
肢3.契約の当事者が複数の場合、契約の解除をするには
肢4.全員から全員へ対して行わなければならない。被
相続人Bの買主としての地位をEとFが相続してい
るので、買主が複数当事者となる。したがって、買
主から解除するにはE及びFが、売主から解除する
にはE及びFに対して行わなければならない。
【解答 1】
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